テーブルをオーダーメイドでつくる注意点は?
テーブル、それはいつの時代にも必ず家庭に存在するモノ。テーブルの周りにはいつも人が集まり、ごはんを食べたり、おしゃべりしたり、コミュニケーションの場であると同時に、縫物や書類仕事をしたりとその用途は様々です。
子どもの頃、夕飯の支度をする母親の背中を見ながら宿題をした記憶や、休日に父親が決まってキッチンに立っていた姿がテーブルを通してよみがえってくるような気がします。
テーブルは時代を越えて存在します。そんな人々の懐かしい思い出をこれからも残していくために、テーブルづくりにはこだわりたいですね。既製品ではなかなかぴったりのテーブルを見つけることができません。そんなときはオーダーメイドで。より身近なテーブルをつくってみませんか?
人が集まるテーブルがいいね!
素材にこだわる
テーブルに限らず、家具は選ぶ素材によって印象が大きく変わってきます。
選ぶ素材によってはもちろんインテリアと合わない場合もありますし、使用用途にそぐわない場合もあります。素材を選ぶ前にまず、自分がどんなイメージの部屋にしたいのか、どんなシーンで使いたいのか、どんなことを大切にしたいのか(手触り・耐久性・手入れ方法)、予算やサイズはどれくらいなのか、などを整理してみましょう。そうすることで、選択肢が狭まり決めやすくなるでしょう。
テーブルのオーダーメイドで選ばれる代表的な素材のそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。
素材から選ばないと…。
色にこだわる
素材が決まったら、色のイメージを広げてみましょう。色は選ぶ素材によってはある程度決まってしまうのですが、その中でもこだわりをもつことをお勧めします。
というのは、色はそれによって心理的作用が働き、行動に影響を与えると言われているからです。
自分の持ち物に好きな色があると落ち着く、気分が良くなるなどの効果を実感した経験があると思います。そういったことを考えると色選びには時間をかけてほしいと思います。
テーブルの色選びでまず理解しておくべきことは、テーブルは一人のためだけではなく複数の人のためのものということです。生活の場に置くので、他の人の好みはもちろんのこと、他の家具との相性、インテリアとのバランスを考慮することが大切です。
そして、テーブルを長く使うことを考えると、飽きのこないもの、劣化しても目立たないものなど選択基準に加えれば、後々修繕費にコストがかかるなどを回避できるかもしれません。
例えば、天然木無垢材を素材に選んだとして、もちろん木のそのままの色ということになりますが、種類によって色味は様々です。特徴とそれにともなうイメージをまとめました。
天然素材は、時を経るごとに変わる色の変化(経年変化)が魅力です。日焼けをして変化することがありますが、この変化はあまりよろしくないでしょう。柔らかいほど日焼けの影響を受けやすいので、なるべく日に当てないようにすることも大切です。
長く使うなら、素材の特徴を知り、経年変化による色のバリエーションを楽しむのもおもしろいと思います。
他の素材も同じように、大理石のもともと持つ色味からそのイメージをはじき出して選ぶといいですね。
ガラスは透明なので、他の家具や壁や床とうまく組み合わせることで、透明色が活かされておもしろいかもしれませんね。
色も大切!
高さにこだわる
色や素材など、感覚的なものもとても大切なのですが、もうひとつ、テーブルと椅子のバランスも大切です。基礎知識として覚えておきたいことなのですが、「差尺(さじゃく)」という言葉があります。
これは、簡単に言えばテーブル高さと椅子の高さの差です。この差が大きいとテーブルに手を置いたときに肩がいくぶん上がった状態になります。これは肩に負担がかかりますね。逆にこの差が小さいとテーブルまでに距離ができ、足が当たり背中が曲がる前かがみの姿勢になります。これも姿勢の悪さが負担になりますね。
それぞれの身長に合ったぴったりの差尺をはじき出す計算式があります。「座高÷3-2」となりますが、一人だけのテーブルではないことを考えると、あまり役にたたないかもしれません。自分専用のテーブルを持つ時に参考にしてください。では、一般的な差尺はというと、27㎝から30㎝と言われています。
長く使うテーブルであれば、子どもの成長により、差尺も変わってきますので、‘今’に合わせ過ぎない方が良いかもしれません。しかし、実際使い始めると高さの問題が生じるかもしれません。その時の対処法を紹介します。
・テーブルまたは椅子の脚の裏に専用のフェルトを貼り高さを調節する。
・テーブルまたは椅子の脚をカットする(デザインによる)
専用フェルトを貼ることは手軽にでき、後に足したり減らしたりできます。
脚カットはデザインによりけりなので、脚のデザインを考えてオーダーするのもひとつの方法です。
高さも大切!
脚の形状にこだわる
脚の形状はその種類によって安定感や印象が変わります。それぞれのメリットとデメリットを把握し、インテリアとのバランスを取りましょう。
成長によって変化する差尺に対応するため、脚をカットすることを考えるなら、四本脚が良いでしょう。
ガラスや大理石などを選んだ時、普通は天板と異なる素材になることが多いのですが、そうするとインテリアにメリハリが生まれるといったメリットがあります。
脚の形にもこだわる?
形やサイズにこだわる
形やサイズはそれによって座れる人数が変わります。用途考え、家族の人数、部屋のデザイン調和や機能性を考えると良いでしょう。
天板の厚みにこだわる
木製の一般的な厚みは30mmぐらいだと言われています。しかし、例えば60mmにすると倍になるわけですが、そうなれば、強度が増すことはもちろんのことですが、何よりもその重厚感により、存在感が出ることが何よりも魅力ではないでしょうか?
5mm、10mmでも厚みが変われば安定感が変わりますし、見た目も変わります。テーブルの使用用途にもよりますが、作業をするなら安定感はあった方がよいですね。
しかし、厚い分、素材が多くなるということなので、当然重くなります。家庭に置くことを前提とすれば、その後に待っている日常の中の、掃除や模様替えなどでテーブルを動かすときに、大変な負担になります。もともと重たい素材だとしたら動かせないほどになるかもしれません。
そうなると実用的ではありません。そういったことを踏まえて、厚みがあることによって得られるメリットと、生活の中でのデメリットを照らし合わせ、何を一番優先させるか、何を求めるかを考えてこだわりを持つことをお勧めします。
まとめ
目的やイメージにあったテーブルをオーダーするために、以上のことをしっかりとまとめ、きっちりと伝えましょう。
テーブルは私たちの日常に一番溶け込んでいるものかもしれません。誰しもなくてはきっと困るもの。
テーブルはある種家族のようなものかもしれません。いつもそこに在り、数々の出来事を見てきた、そんな当たり前の存在だからこそ、自分や家族にとって心地よいものをつくりたいですよね。
長く、長くお世話になるのであろうテーブルに、オーダーメイドという方法でぜひこだわりをつめ込んでくださいね。